ゲームで適当に遊ぶ

ファミコン中心に、いろいろなゲームを遊んだ感想とか適当に

これも時代の仇花なのか

 なるべく早く次の更新を……ということでサクッとクリアできるタイトルを! のはずだったのに、意外と難しくて難儀した今回! 第40回は某ゲームと並んで「RPGじゃないだろ!」とツッコまれることが多いこのタイトル!

キングスナイト

 スクウェア(現:スクウェア・エニックス)のファミコン参入第2弾。第1弾のテグザーは国産PC(PC-8801mkIISR)用からの移植かつ、オリジナルの開発・販売はゲームアーツなので、本作が実質スクウェアの第1弾といっても問題ない。発売日は1986年9月18日。同時期に発売したタイトルは『ASO』『スーパーピットフォール』『バナナ』『高橋名人の冒険島』『スーパーゼビウス ガンプの謎』『ゴーストバスターズなど。ディスクシステムでは子猫物語』『悪魔城ドラキュラがリリースされた頃。

 

 

 大まかなゲーム構成は「強制的に縦スクロールしていくステージを攻略。操作キャラクターの攻撃(飛び道具)で敵や地形を破壊し、アイテムを取得してパワーアップ。ダメージを受けたら、アイテムで回復」するという代物。いわゆるシューティングゲームの構造なのだけど、公式ジャンルは『縦スクロールのフォーメーションロールプレイングゲーム。ホントです! 信じてください! もちろん、現代ではシューティングゲームに分類されると思われるゲームです。しかし、発売当時、これが「RPG」に分類されても問題がなかった、そして現代でも「RPG」としてもおかしくはない(違和感がないわけではない)理由があったりするわけです。

 当時は国産PCを中心にRPGが人気を博し、なかでもハイドライドザナドゥなどのアクションRPGがヒット。「これからのRPGアクションRPGが主流。コマンド式は一時代前のシステム」なんて風潮もあったとか。恐らくではあるけれども、『ゼルダの伝説』『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』なども、このアクションRPGヒットの影響下にある……というのは間違いないはず。ただ、同じくアクションRPGの一種である『ドルアーガの塔』は、ちょっと特殊な理由でこの文脈に入らなかったりする(この辺はいずれハイドライドスペシャルを取り上げたときにでも)。

 そして、本作もまた、このアクションRPGブームの一環で制作されたタイトルであろうことは想像に難くなかったりするわけですよ。当時のスクウェアは国産PCを主戦場とするメーカーだったわけだし。実際、当時流行したアクションRPGの「要素」を分解して考えてみると、構成要素には

・(アクションゲームに比べて)攻撃方法の単純化

・経験値やアイテムによるパワーアップ

・ライフ制で自分や敵が一撃で死なない(倒せない)

・パワーアップにより敵を倒せるようになったり、ラクに倒せるようになったりする

・ボスを倒すためのアイテムを収集する

・体力回復要素がある

・謎解き要素がある

などがあり、本作は最後の「謎解き要素」以外は満たしていたりする。特に当時のアクションRPGに重要視されたのは上5つであり、そういう点から考えると、スクウェアが新作タイトルに「フォーメーションRPG」などという聞いたことのないジャンル名をつけてアクションRPGを装ったのは当然の帰結ともいえるわけですよ。

 

 

 

 などと、ここまで長々とジャンル問題を語ったけど、どう考えても

やっぱりシューティングゲームである

ことには変わりないんだけどね!

 

 

 

 ストーリーは上記説明書スキャンのとおり。古代マラルリに伝わる物語という形式を取り、プレイヤーはそれを追体験する……というゲーム構造になっているのが面白いところ。んで、この「ゲーム内容は人々に物語として語り継がれているという構造ってスクウェアファミコンにおける大出世作『ファイナルファンタジー』と同じだったりする。この辺、スタッフの好み……ということなのかもなぁ。

 

 

 全5ステージ構成で、最初の4ステージは勇者たちが魔王を倒すために力を溜めていくレベルアップパートとなっている。ステージの地形を破壊するとアイテムが出現し、これを取得するとショットの威力やジャンプ力がアップするというよくあるシューティングゲームの構造。1ステージにつき19個のアイテム(攻撃力3つ、スピード6つ、防御力3つ、ジャンプ力7つ)が隠されていて、これを全部取得するとLv20になるという寸法だ。わかりやすいね! ちなみに、地形にはモンスターも隠れているので、むやみやたらに破壊すると大変なことになる。

 

 

 トップバッターは王国の騎士であるレイジャック。挑むのは魔法の森ステージだ。特に難しいところはないので、的確に地形を破壊してアイテムを集めていこう。ちなみに、各勇者ステージにはダンジョン(説明書ではワープ世界)への入口が隠されていて、ここにもアイテムがある。ダンジョンの終点にはボスがいるけど、そこまで強い相手ではない。サクッと倒してしまおう。

 というか、ゲームシステム的に本作は敵を倒すかどうかより、アイテムを取り逃さないようにするほうが重要なのだ。このゲーム最大の敵は、モンスターではなく「アイテムを全部取得できるかどうかのパターン構築」だったりする。1個でも逃すと、最終ステージがつらくなるのだ。特に魔法パーツ(4つ集めると最終ステージの特定地点で魔法が使えるようになる)はクリアに直結するので、絶対に逃さないこと。3つ取れば、最終ステージでリカバリできなくはないけどね。

 

 

 次に出てくるのはウィザードのカリバ。ステージはドラゴンに荒らされた街。背景が変わった程度で、レイジャックの草原ステージとあまり変わりない。この廃墟はカリバにとって因縁があるようだけど、ゲーム内や説明書では特に語られておらずキングスナイト まんが攻略本』に記述されている程度。発刊時期(ゲーム発売1カ月後)などを考えると、スクウェアの多大な協力があったことは明白で、ここで書かれている設定等はおおむね公式と捉えるのが妥当といえなくもない……けど、真実は不明。

 

 

 ステージ3は夜の森モンスターのバルーサを操作して切り抜けよう。ちなみに、障害物に挟まれると、体力がどれだけあってもミスになる。まぁほとんどの障害物はショットで破壊できるので、最終ステージ以外で挟まれることはほぼないんだけどね! ただ、このあたりから地形に隠れたモンスターも多くなってくるので、無駄撃ちするとモンスターのラッシュに押しつぶされてミスしてしまう可能性も高くなったり。まぁこのステージだけの要素じゃないけどね。

 

 

 ステージ4はスィーフ(説明書表記)のトビーを操作して、海と砂地ステージを攻略していくことに。海と地上(あるいは地上の段差)を行き来しようとする瞬間にオートジャンプするのだけど、この間はショットも撃てず、ほかの操作もできない。つまり、完全無防備になってしまうのだ。このオートジャンプをいかに発生させないように移動して戦うか……がステージ4のキモなんだけど、これがとにかくストレスが溜まるのだ! さらに、海では移動に慣性がついて思うように操作できなくなる。たぶん、このオートジャンプと海中移動がゲーム最大のストレス蓄積要素。これさえなければ、意外と楽しく遊べるんだけどね……。ちなみに、ステージ終盤にある謎のアイテムを取ると海が割れ、アイテムが隠された海底が露出される。ここに隠されたアイテムも逃さず取って、トビーをLv20にしよう。ただ、配置はかなりいやらしいので、獲り逃してしまうこともある(実際獲り逃した)。まぁジャンプは1つぐらい獲り逃しても問題ないけどね。

 

 

 ここまでプレイしてパワーアップしきっていない、あるいは魔法パーツがそろっていない(正確には「3つ以上ない」)、または各ステージで勇者たちが死んでしまった場合はクリアが難しい(なお、1人でも勇者が死んでいる場合はクリア不可能)ため、全滅してコンティニューするのが最適解となる。世知辛い。

 ゲームオーバーになってしまったら、タイトル画面に戻るのを待つ。そしてセレクトボタンを押してスタートすると、各キャラクターの現在ステータスが表示される。ここでカーソルをあわせてAボタンを押してマーキングしてからスタートボタンを押すと、そのキャラクターのステージを再プレイできるのだ。もちろん、マーキングは複数キャラクターOK。ちなみに、再プレイは文字通り再びプレイすることになるため、現在のステータスに上乗せされない。そのため、しっかりレベルアップできているキャラクターは、再プレイしないほうが安全なのだ(RPG要素を謳うなら、パワーアップは上乗せにしてほしかった……)。このとき、全員最高レベルになっているなら、そのままスタートボタンを押してステージ5から再スタートするのが正解となる。

 

 

 万全の状態になっているなら、いよいよステージ5の攻略だ。Wiki攻略サイトにはガルガチュア城と書いてあるけど、説明書にはそのような表記はない。この名称がどこからでてきたのか不明だったりする。恐らくは前述のキングスナイト まんが攻略本』キングスナイト パーフェクト攻略本』(両方ともマイクロデザイン出版局)、あるいは他機種版の説明書に書かれているのかもしれないけど、詳細は不明。

 ステージ5は4人でフォーメーションを組んで進むことになり、ステージ内にある→パネルはフォーメーションチェンジアイテムとなっている。これを取ると先頭が右回転、左回転、あるいはランダムで変更される。フォーメーション中は4人で1つのユニットとして扱われ、能力値は戦闘のキャラクターのものが適用される。一番強いキャラクターを使い続ければいいように思えるけど、先頭によって使える魔法が異なるので状況に応じて切り替えていく必要があるのだ。ちなみに、魔法はいつでも使える訳ではなく、特定のポイントでのみ使用可能になる。もちろん、パーツを4種類集めていない勇者の魔法は、使うことはできない。なお、ステージ5内には見えない魔法アイテムが1つずつ落ちているので、1つだけ取り逃しているならリカバリーが可能だったりする。

 

 

 ステージ5がスタートしたら、まずはカリバにフォーメーションチェンジ。敵を倒しながら進み、最初の離れた足場に乗ったらカッパ軍団が出てくるのを待つ。カッパが姿を現わしたら、ここでカリバの魔法・ネイザスを発動カッパを一網打尽にするのだ。カッパを全滅させたらカリバの出番は一旦おしまい。次はトビーを先頭にしよう。

 

 

 対岸に渡ったら、落ちている剣を拾おう。これは聖剣のかけらで、ステージ内に落ちている3本すべて集めると聖剣フィクサー(これも例によって出どころ不明。スマホ版に記述があるらしいが……)に変化。これがないとラスボスは倒せないので、絶対に取ること。逃してしまったら、すぐにゲームオーバーにしてしまうのが無難だ。

 先に進むと壁(モノリス)が地面から大量に出現して行く手をさえぎってくる。前に出てきた壁と違い、どのルートを進んでも行き止まりになってしまうのだ。ここでトビーの魔法・バルバスを使って、すべてのモノリスを破壊しよう。ギリギリまで使用せずに粘れば、すべての壁を破壊できるはずだ。そして、ここでトビーの出番はおしまいとなる。次はバルーサに交代しよう。ダウンアイテムがDの字に並んでいるところまで来たら、ここでバルーサの魔法・セチューンを発動。白いドラゴンに変身して先に進むのだ。ドラゴンになっている間は、無敵かつ障害物にも邪魔されないというボーナスタイム。特定地点までは解除されないので、ギリギリまで効果を維持しよう。

 

 

 セチューンが解除されたら、いよいよレイジャックの出番……といいたいのだけど、行く手を妨害する石像は形状によって破壊しやすいキャラクターがいる。一番ジャマなのはライオンの石像なので、ライオン石像に特効があるカリバにしておくのが無難だ(竜はバルーサ、悪魔はトビーで攻撃すると破壊しやすい)。石像地点の先にある、池によって二手に分かれる通路は右側を通るのがオススメ。フォーメーションチェンジアイテムがたくさんあるので、これを取って今度こそ先頭をレイジャックに変更するのだ。池の後半にさしかかったところでレイジャックの魔法・ザイネンを発動してペガサスに変身し、弾を吐く戦士石像ゾーンを突破するのだ。ザイネンの効果はセチューンと同じく特定地点を通過するまで。その特定地点とは、戦士石像ゾーンの終了地点。画面上に貼りついて移動しつづけているとすぐに切れてしまうので、なるべく画面下にいること。そして無敵時間を利用しながらライオンや悪魔の石像を破壊してから、ザイネンの効果終了地点を通過するように。なお、ザイネンを発動した直後にトビーを先頭にすると、戦士石像ゾーンを突破したあとが対処しやすい。魔法発動中でもフォーメーションは変更できるので、アイテムでトビーを先頭にしておきたい。

 

 

 石像地点を通過したら、いよいよ悪しきドラゴン・トルフィダン(これはスマホ版で判明)との最終決戦だ。トルフィダンは、普通に攻撃しても絶対に倒せない。ちゃんと剣を3本集めていたら、決戦に挑もう。集めてない場合? もちろんゲームオーバーになってコンティニューするしかない。

 攻撃をある程度命中させると、ダメージを与えた印として画面が光る。これを合図として近くにあるフォーメーションチェンジアイテムで先頭を別のキャラクターに変える。そして再び攻撃して……を3回繰り返す。1度ダメージを与えたキャラクターの攻撃は無効化されるので、誰を使ったかはしっかり覚えておくこと。そして3回攻撃を命中させたあと、残った1人に変更して攻撃すると、4人で剣を掲げて突進する。これでクレア姫をさらった悪しきドラゴン・トルフィダンを倒してゲームクリアだ!

 

 

 MSXだけでなく、PC-8801mkIISRX1にも移植された本作。PC-8801mkIISR/X1版のキングスナイトスペシャル』は、横スクロールダンジョンや謎解き要素も追加されRPG要素がさらに強化。というか、プレイ動画を見る限り本当にやりたかったのは“これ”だったんだろうなぁ……と思わないでもなかったり。確かに、これなら胸を張ってアクションRPGを名乗ってもおかしくないゲーム性なのだ。

 近年ではスマホゲームとしてリメイク(現在は配信終了)。意外と愛されている気がしないでもない本作だけど、現行ハードでプレイする手段はないという悲しさ。80年代中盤のタイトルだけあって、裸ソフトなら結構簡単に手に入るのだけど……。どうせなら、プロジェクトEGGでオリジナル版(ファミコン版)と『キングスナイトスペシャル』の両方を配信してくれないものか……と思っている次第。RPGじゃない」という点に目をつぶれば、サクッと遊べるゲームなんですよ。ただ、極限までの覚えゲーなので、ダメな人にはダメだけどね……。

 

 

 そういうわけで、今回はここまで。仕込みは何本か終わっているので、なるべく早く更新したいところ! とはいえ、予定は未定……。難しいね、この辺。