ゲームで適当に遊ぶ

ファミコン中心に、いろいろなゲームを遊んだ感想とか適当に

『 大河原邦男おもしろメカワールド』はオモロイド

 11月は2本ぐらい更新したい……そんなことを考えていた今日この頃。そういう訳で、今回紹介するタイトルはこれ! 任天堂が誇る、スーパーマリオ』『ゼルダの伝説シリーズに並ぶ、3本目の柱! 探索型アクションゲームの金字塔!

メトロイド

 『ゼルダの伝説』謎の村雨城』『スーパーマリオブラザーズ2』『バレーボール』に続く、ディスクシステムオリジナルソフト第5弾として1986年8月6日に発売。同時期の発売タイトルは『ワルキューレの冒険 時の鍵伝説』六三四の剣 ただいま修行中』『北斗の拳。熱狂的なファミコンブーム真っただ中としては寂しい本数だけど、いわゆる「二八(2月8月は物が売れない)」なので致し方ないところかもしれない。

 ジャンルとしては探索型アクションゲームで、86年9月末にリリースされる悪魔城ドラキュラとあわせて家庭用ゲーム機における同ジャンルの地位を確立した1本でもあります(パソコンでは、こういう系統のタイトルはあったんだけどね)。ちなみに、この2タイトルは日本以上に北米での人気が高く、このような探索型アクションゲームはメトロイドヴァニアMetroidvania=Metroid+Castlevania(『悪魔城ドラキュラ』の北米タイトル)のカバン語)というジャンルに区分されているとか何とか。

 

閑話休題

 

 開発は任天堂第一開発部。もともとは新人スタッフによるゲームだったのだけど、「宇宙を舞台に、自由に動き回って銃で攻撃」という基本イメージ以外が出来上がらないまま発売日1カ月前を迎え、そこから坂本賀勇をはじめとする第一開発部が総がかりで完成させたらしい。探索型アクションゲームになったのは、発売を前にして素材や要素が足りなさすぎるので、それをカバーするためのアイデアだったとか。コンシューマーゲーム黎明期ならではの、すさまじいエピソードですな。なお、このときの新人スタッフで判明しているのは、清武博二氏(サムスのデザイン)と松岡洋史氏グラフィックデザイン)。両氏ともに、のちの任天堂ゲームでその名を残していくゲームクリエイターになっていくのだけど、それはまた別のお話。

 ちなみに、タイトルになっているメトロイドは作中に登場する架空の宇宙生物の名称だけど、命名した松岡氏によると、もともとはタイトルだけでゲームの雰囲気・世界観を表現するためMetro(フランスの地下鉄)とアンドロイドの主人公(のちにパワードスーツに変更されたけど)から作られた造語だとか。このメトロイドが主人公の名称と誤解されることも多く、のちのシリーズ作メトロイド プライム』の製作スタッフも任天堂スタッフに指摘されるまでそう勘違いしていたとか。

 

 

 ゲームは2Dの横スクロール型アクション。さまざまなパワーアップアイテムを手に入れてサムスを強化し、要塞惑星ゼーベスの最深部にいるマザーブレインを破壊するのが目的となる。細かいストーリーについては説明書を読んでもらうとして。こういう大型タイトルは何度も移植されてるので、説明書が任天堂公式にアップロードされてる場合もあるのがありがたい限り。ちなみに、この説明書は『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』に収録されたときのもの。いつまでも公式サイトで公開していてほしい。公式でゲームの説明書が読めるって、本当に貴重なのよ。

 

 

 ゲームをスタートすると名前登録画面に。この辺は『ゼルダの伝説』から続く、任天堂ディスクシステムタイトルの基本的な流れといったところか。ちなみに、NAMEの下の数字はゲームオーバーになった回数、ENERGYは現在のエネルギータンク量、DAYはゲーム内時間でクリアまでにかかった日数を現わしている。日数カウントの増え方に関しては検証された方がおられて、正確な内容が判明している模様。

 本当にこういう検証を独力でなされている方々には頭が下がります。なお、日数カウントはエンディングに影響しているので、なるべく時間をかけずにクリアするのが望ましい。というわけで、本記事では効率のいい攻略を目指していたりします。

 

 

 登録した名前にカーソルを合わせてSTARTボタンを押すと、本当にゲームスタート。説明書では「岩の面」と書かれているブリンスタにサムスが降臨する。まずは左に行って丸まりを取得しよう。サムスが球状に変形できるようになるアイテムで、のちのシリーズではモーフボールと呼ばれているものだ(基本的に、本記事のアイテム名などは説明書準拠)。これでサムスの身長の半分ほどのスキマも抜けられるようになる。丸まらないと先に進めない場面は多いので、クリア必須アイテムといえるだろう(ほかのアイテムは取らなくてもクリアできる? この辺、きちんと検証すべきなんだけど、時間がないので割愛)。まずは丸まって来た道を引き返すところからはじめよう。

 

 

 丸まりを取ったら、次はミサイルコンテナ取得を目指すミサイルはビームよりも攻撃力が高いが、弾数制限がある。残弾は敵を倒したときに出るアイテムで回復できるが、上限はミサイルコンテナを取らないと増えないという仕組み。ボスなどの強敵を攻撃するときに使うほかにも、特定の扉を開けるのにも必要なので、上限はあればあるほどいいのだ。とはいえ、無理にコンテナを取りに行ってタイムロスするのも本末転倒。いかに必要なコンテナを取っていくか……これも重要なのだ。ちなみに、上限は黎明期のゲームらしく、255発(8ビット)となっている。

 

 

 ミサイルコンテナを取ったら、来た道を引き返してロングビーム取得を目指す。ルート的にはボムを取りに行ったほうがスムーズなのだけど、時間的には大して増えず、かつ射程が大きく伸びるロングビームがあったほうが、何かと攻略に便利なのだ。

 

 

 ロングビームで大幅に射程が伸びたサムスを操り、今度はボム取得へ。途中にあるエネルギーコンテナも取って、エネルギーの上限を増やしておこう。なお、ロングビームやボムなどのアイテムが置かれている鳥人像の間は、赤い扉でふさがれている開けるにはミサイル5発が必要なので、ロングビーム取得後には雑魚狩りをしてミサイルの補充をしておくことを忘れずに。

 

 ボムを取得したら、次はアイスビーム。ビームを命中させた敵を一時的に凍らせるという代物。ただし、一部の敵を除き、凍っているときにビームを再命中させると解除されてしまう。また、凍らせるときにはダメージを与えられないので、事実上攻撃力が半分になってしまうというデメリットも。とはいえ、さまざまな場面で役立つ強力な武装であることに間違いないので、絶対に取っておくべき武器なのだ。

 

 

youtu.be

 アイスビームを取得したら、普通なら別エリアに移動してハイジャンプやスクリューアタックの取得を狙うのだけど、今回は先にバリアを取得を狙って観たり。一般的にはハイジャンプ取得後でないと取得できないとされているけど、実のところアイスビームがあればなんとかなったりする。これを発見した人は本当に凄いと思いますよ! ありがとう先行攻略者。少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。ちなみに、バリアを取得するとサムスの色が変化する。なんとなくイメージにあるサムスでなくなってしまうので、違和感バリバリだけど致し方なし。

 

 

 バリアを取得したら引き返さず、先に進んでミサイルコンテナとエネルギーコンテナを取得。これで、ブリンスタでやることはほぼなくなったということに。次は最初にミサイルコンテナを取得した通路の奥にある、火の面ことノルフェアを目指すのだ。

 

 

 ノルフェアについたら、左側の扉の先にあるミサイルタンクを回収してからハイジャンプ取得を目指す。ハイジャンプへの道のりは難しいところもないので、さくっと済ませてしまおう。これでサムスのジャンプ力が1.5倍になり、今まで行けなかった場所にも到達できるようになるのだ(そして、本来ならここでバリアを取りに行く)。

 

 

 そして、ハイジャンプのある鳥人像の間には隠し通路があり、ここからクリューアタックのある鳥人像の間へと移動できる。この通路からは、エネルギーコンテナやミサイルコンテナ、さらには波動ビームのある場所に行けるけれども、無くてもどうにかなるアイテム類なので時間短縮のため取りに行かないことに。こういうところでプレイ時間を切り詰めていかないと、ベストエンディングには到達できないのだ。

 

 

 一通りの必要アイテムがそろったところで、ボス討伐へ。まずはノルフェアから行ける小ボス部屋(Ⅱ)にいるリドリー狙いだ。このエリアで取るアイテムはエネルギータンクぐらいなので、サクッと手に入れてリドリーの待つ部屋へ急行だ。ちなみに、通路にあるエネルギータンクの手前には落とし穴がある。タンクを取ってから落とし穴に落ちれば、大幅ショートカットできるのだ。

 

 

 ボスのリドリーは青い火の玉を撃ち出してくるが、これはアイスビームで動きを止められるのだ。火の玉は画面上に5発までしか存在できないので、すべての動きを止めてしまえば一方的に攻撃し放題。ミサイルを連続で叩き込むのもよし、ビーム連射で節約するもよし。とにかく速攻で倒してしまおう。ちなみに、リドリーを倒すとミサイルの弾数上限が+75される。安心してミサイルが乱射できるようになるのだ。なお、リドリーの背後にある扉の向こうには、エネルギータンクがある。こちらも忘れずに。

 

 

 リドリーを倒したらブリンスタに引き返して、小ボス部屋(Ⅰ)へ。途中、通路の天井にあるエネルギータンクも忘れずに取っておこう。小ボス部屋(Ⅰ)への道のりは遠いが、半分ぐらいは落下するだけで通過できる。途中にある小部屋に寄ってエネルギータンクやミサイルタンクを回収しつつ、時間をかけずに先へと進もう。

 

 

 小ボス部屋(Ⅰ)のヌシはクレイド。ブーメランと針を連射してくる強敵だ。これらにも当たり判定があるため、障害物を貫通する波動ビームで戦うのが正攻法といわれている。が、アイスビームとの択一なので、わざわざ取りに行く必要はない。ボムを連発して戦うのが一番だ。こちらもかなりのダメージを受けてしまうが、そこは豊富なエネルギータンクでゴリ押ししてしまおう。重なるようにしてボムを置きまくり、爆風を当てていこう。倒したあとは、エネルギータンクで回復。爆風でジャンプする瞬間に右を入れっぱなしにしていれば、タンクのあるスキマにたどり着けるぞ。

 

 

 クレイドを倒したら、あとはブリンスタに引き返すだけ。しかし、戻るための道のりは、このゲームでも1、2を争うほどの難所だったりする。時間経過で復活するブロックを破壊しつつ、それを足場にして登っていくのだが、回復するタイミングを見計らってジャンプしていかないといけないのだ。そして、失敗すると一番下まで真っ逆さまに落ちていく……。ここをいかにスムーズに切り抜けるかが、タイムアタックのカギだ。

 

 

 ブリンスタまで引き返したら、今度はエリアの左上にある石像の部屋に向かおう。クレイドとリドリーを倒しているなら、それぞれの石像を攻撃すると道ができる。この道を伝って、マザーブレインの待つ基地面・ツーリアンに突入しよう

 

 

 ツーリアンには、宇宙海賊に寄って繁殖させられたメトロイドが大量に出現する。通常の攻撃ではひるむ程度で、猛スピードで接近してきて組みつきエネルギーをもりもりと吸っていく強敵だ。組みつかれた場合はボムを連発すれば振りほどけるが、一時しのぎにしかならない。だが、そんな攻防万能のメトロイドにも唯一といっていい弱点が冷気で、アイスビームで凍らせればミサイルが効くようになる。凍らせたら無視して進むのもいいけど、メトロイドはエネルギーボール(30回復!)やミサイル30発を落とすので、ラスボス直前で“稼ぎ”をするのも悪くない。ちなみに、道中に出てくるオレンジ色の輪っかはリンカという敵だ。説明書には「そんなに強い攻撃力はない」と書かれているけど、触れるとこのゲームでもトップクラスのダメージを受ける。嘘つき! しかし、1画面に3体までしか出現せず、アイスビームで凍らせられるので、無暗に破壊するよりも凍らせて動きを封じたほうが安全に先へと進めたりする。

 

 

 ラスボスエリアで待ち構えるのは、多数の砲台と無限に湧き続けるリンカ、そしてマザーブレインのエネルギー源を兼ねた防壁・ゼーベタイトだ。ゼーベタイトはミサイル8発で破壊できるが、破壊前に攻撃を中断すると少しずつ回復していくという特性を持つ。そのため、ミサイルを節約するため一気に破壊するのが一番だ。砲台のダメージは大したことないけどノックバックが鬱陶しいので、少しずつ移動して当たらないようにしたい。もちろん、リンカはアイスビームで動きを止めておこう。

 最深部にはマザーブレインが鎮座している。本体は攻撃してこないが、砲台やリンカの攻撃が苛烈。エネルギーとミサイルに十分な残量がないと倒せないだろう。まずは防護ガラスをミサイルで叩き割り、そこにミサイルを撃ち込んでいこう。35発叩き込むというのが定説だけど、実際に必要な発数はよくわからない。ちなみに、砲台から発射される弾はゼーベタイトのあった位置に立つと当たらない。リンカを凍らせ、そのスキに安全地帯からミサイルを叩き込む……というのが基本的な攻撃手段だ。

 マザーブレインを破壊すると感動のエンディング……ではなく、自爆装置のスイッチが入ってゼーベス崩壊までのカウントダウンが開始される。足場をのぼって時間内に脱出しよう。左右を入れながらジャンプするとスクリューアタックが出やすいが、ビームを連射しながらだとスクリューアタックは発動しない。制限時間は999(秒ではない)と、少しだけ余裕がある。慌てず、確実にジャンプしていこう。最上段にあるエレベータに飛び乗れば、晴れて感動のエンディングだ!

 

 

 クリアするまでにかかった時間によって、エンディングでのサムスの姿が変化するというおまけつき。ベストのビキニサムスまでの時間は「1時間以内」とか「2時間以内」とか諸説あったものの、有志によって正確な時間が確定した模様。本当に頭が下がります。こういう“定説”を検証していくのって、本当に労力がいるんですよ。

 

 

 ちなみにゲームオーバーになると、セーブかコンティニューを選べるようになっている。このゲームオーバー画面はポーズ中に2コンの上とAボタンでも呼び出せるので、一応いつでも中断が可能。ただし、記録されるデータにはエネルギーとミサイルの残量は含まれないので、再開後はアイテム集めからはじめないとならなかったり。ちなみに、サムスの横に積まれているドル袋は、クリア時のランクを示している。ビキニエンドなら5個、そこから1つずつ減っていく……という仕組みだ。なお、時間短縮のため最深部まで行ったらコンティニューで各面の最初に“死に戻り”するというテクニックもあるけど、エネルギーが失われるのであまりオススメできない。

 

 

 もちろん北米版ファミコンことNintendo Entertainment Systemでも、本作はリリースされていたり。NESにはディスクシステムがないため、ROMカートリッジ形式で発売。そのせいか、北米版はデータセーブができずパスワード制になっているのだ。それ以外のゲーム内容は国内版とほぼ一緒だけど、ノルフェアにいるポリプの火山弾パターンが違っている、ゼーベタイトの数がディスクシステム版より少ない、ディスクシステム音源が使用できないためSEやBGMが違う、マザーブレイン撃破後のBGMのメロディラインが違うなど、微妙な差異があったりする。

 

 

 とはいえ、一番の違いは、クリア後に再開するとエネルギータンクとミサイルタンクの獲得数とボス撃破フラグ以外を引き継いでプレイできるという“2周目”機能だろう。この2周目機能、ビキニエンドかレオタードエンドで行った場合はサムスがスーツを脱いだ状態でプレイできるようになるというオマケつき!

 

 

 なお、NES版はパスワード制だけあって、特殊パスワードが発見されている。なかでも有名なのが“JUSTIN BAILEY”だろう。なんと、すべての装備がそろった状態かつクレイドとリドリーを倒した状態のスーツ脱ぎサムスでプレイできるのだ。つまり、そのままツーリアンに突入して、マザーブレイン撃破を狙うことが可能! 凄いね!

 

 

 で、もう1つの有名パスワード、通称“NARPAS SWORD”は、なんとデバッグモード。すべての装備がそろった状態なのは”JUSTIN BAILEY”と同じだけど、こちらはミサイル弾数無限のうえにエネルギーが一定値以下になると自動回復するというとんでもないシロモノ。クレイグやリドリー討伐フラグ、ミサイルコンテナをはじめとした各種武器取得フラグ(使えるにも関わらず!)は一切立っていないので、好き放題プレイできるのだ。プレイには関係ないけど、強引に全武器取得フラグを立てているせいか、見た目が波動ビームのアイスビーム(まっすぐ飛ぶ)という変な武器を装備してしまっている。もっとも、無敵能力の前には、この程度のことは些細なことに過ぎないけど。

 

 

 地面を這う敵に直接攻撃できない、被ダメージのノックバックが大きすぎるなど“急ごしらえタイトル”ならではの欠点も気になる本作。とはいえ、そんな欠点が気にならないほど面白いというのも事実ではある。かつては(続編は出るものの)移植に恵まれないタイトルだったけれども、現在ではSwitch『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Onlineで気軽にプレイできる。NES版も、海外アカウントを入手するか、GBAメトロイド ゼロミッション』の特典でプレイできる。いつのまにか、ファミコンソフトのなかではプレイしやすいタイトルになっているのは面白い。

 

 

 そういう訳で、今回はここまで! 久しぶりの任天堂大型タイトルのあとは、さくっと軽いタイトルを数本立て続けにアップしたいところ! まぁ、それはあくまで理想であって、現実になるとは限らないけどね……。