だいぶ時間が開いてしまったけど、そんなこんなで第22回の更新! 今回は、「アレンジ移植だと思われがちだけど、完全なオリジナル作品」なこのタイトル!
オリジナル……というか、元ネタになったゲームはナムコのアーケードゲーム『スプラッターハウス』。映画『13日の金曜日』シリーズをはじめとするスプラッター映画をモチーフにしたホラーアクションゲームだ。主人公のリックが『13日の金曜日』シリーズのアイコン的キャラクターにして最大の悪役であるジェイソン・ボーヒーズをモチーフにしているのは間違いなく、映画さながらのバイオレンスなアクションで奇怪かつ醜悪なクリーチャーを蹴散らしていくのが人気を博したのだ。
オリジナル版も長らく移植に恵まれなかったけれども、先日発売した『PCエンジン mini』にPCエンジン移植版が、またSwitch『ナムコミュージアム』にアーケードオリジナル版が移植されたため、気軽に遊べるようになった。やったね!
で、だ。
今回紹介する『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』だけれども、単純なファミコン移植版ではなく、『スプラッターハウス』のガワを利用して大幅な改変を行ったオリジナル作品となっている。開発はナムコ名義だが、実際は下請けのナウプロダクションの開発となっている。聞きなれないメーカーだが、一部の人にはいやーな記憶とともに結びついているソフトメーカーだ(メタルマックス2改)。
しかし、この改変が、当時(今でもだけど)とーっても批判された。曰く「バイオレンスホラーが売りなのに、こんなコミカルにしてどうする」、曰く「重厚なアクションがよかったのに、ジャンプアクションにするなんて」などなど……。雑誌『CONTINUE』で紹介された際にも酷評されたという。同じくとんでもないアレンジをされた『源平討魔伝』と並び、「ファミコン移植はひどい改変される」と揶揄されたこともある。
だが、しかし!
だが、しかしだ!
このゲームを本当にプレイして酷評した人がどれだけいるのだろうか? という話なんですよ! 確かに「コミカルなキャラクターが飛んだり跳ねたりするのは『スプラッターハウス』ではない」という気持ちはわかる。痛いほどわかる。しかし、実際に触ってみると、これがなかなかどうして「悪くない」、いや、むしろ「これはこれでアリなんじゃないか」というしっかりした作りのゲームだったりするのだ!
真夜中の墓場。真新しい墓で永遠の眠りについていたリックは、落雷で目を覚ます。同時に悪の化身・カボチャ大王も目覚め、リックの墓の前で嘆き悲しんでいた彼の恋人・ジェニファーをさらっていく。愛する彼女を救うため、そしてカボチャ大王を倒すため、リックの孤独な戦いが幕を開けるのだった……。
というのが、大筋のお話。オリジナル版と似たような話だけど、全然違う! となるところだけど、実はこのゲーム、ホラー映画の名作をモチーフにしたネタが随所に仕込まれているのだ。つまり、前述のカボチャ大王も、ホラー映画の金字塔的作品『ハロウィン』からとられている……と考えるのが筋だと思うのだ。
●ホラー映画の王様『ハロウィン』
→ハロウィンといえばカボチャ
→カボチャの王様
→カボチャ大王
てな具合にね。ただ、『ハロウィン』の象徴的キャラクターは、その後のホラー映画の殺人鬼に多大な影響を与えたブギーマンだけどね! カボチャが出ていたかどうかはまったく覚えていない! たぶん、第1作にはちろっと出てたんだろうけど。
アクションゲームとしてはスタンダードな横スクロール式。たまーに双方向スクロールになることもあるけれども、おおむね逆走不可タイプのスクロールだ。Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃もスタンダード。アイテムはライフを1回復するキャンディと、4回復するハンバーガー。そして射程範囲の敵を蹴散らすが反動で後ろに吹っ飛ぶショットガンの3種類。ライフ上限は初期段階だと4ポイントだけど、敵を倒すと経験値が貯まっていき、一定数に達すると上限がアップする。このとき、ライフも1だけ回復する。どうせなら、全快してくれよ! ライフ上限は最大16ポイント。普通にプレイすれば、ラスボス手前ぐらいまでには到達するはずだ。
ライフが0になるとゲームオーバーになるが、コンティニューすれば再開できる。コンティニュー回数は4回まで。各ステージ開始時に表示されるパスワードを入力すれば再開可能だけど、ライフ上限は初期値からスタートとなる。痛しかゆし。
ステージ1は墓場。よみがえってくるゾンビやゾンビ犬を手にしたナタで倒しながら先に進むと、なぜか舞台が配置されている空間に出る。この舞台からせり出してくるのはドラキュラ伯爵。そして、結構長尺のダンスをひとしきり踊ったあとに襲い掛かってくる……と思いきや、襲ってくるのはゾンビだけ。
∧_∧
⊂(#・д・) ドラキュラは襲ってこないのかよ!
/ ノ∪
し―-J |l| |
人ペシッ!!
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 ̄ ̄
ひとしきりゾンビを倒していくと、満足したのかドラキュラはまた舞台の奈落に消えていく……。あ、もしかして「奈落の底に落ちる」と舞台の「奈落」をかけてたのか? ドラキュラのダンス、一応説明しておくと、キング・オブ・ポップことマイケル・ジャクソンの世界的ヒットナンバー『スリラー』のミュージックビデオが元ネタとなっている。そして決めポーズは、これまたおなじみの映画『サタデーナイトフィーバー』から。これはホラーじゃないけど、一応ね。
ドラキュラを突破して先に進むと、小屋が見えてくる。中に入って長い廊下を突き進むと、そこには扉が。部屋には本棚が鎮座しており、収納されている本が飛び出して襲い掛かってくる! 『ポルターガイスト』だね! 本を一定冊数倒すとポルターガイスト現象は収まり、また先に進むための扉が出現。こちらの部屋には、少女がベッドの上で待ち構えている。しばらくすると首が回転してちぎれ、飛びかかってくる……。2脚の椅子も飛び回って襲ってくるが、これは破壊すると首に攻撃を命中させるまでは復活しない。まずは椅子を破壊し、それから落ち着いて首を攻撃しよう。椅子さえ破壊してしまえば、大したことないボスだ。
ステージ2は小屋の中から。地面を這う腕を倒しながら先に進むと、台所にたどり着く。ここでは、首なしニワトリを吐き出すオーブンと、飛び回る2本のナイフと戦うことになる。ネットの情報では『チキン・イン・ザ・キッチン』という映画がモチーフらしいのだが、よくわからない……。詳しい人、教えて! ちなみに首なしニワトリはいくら倒してもキリがなく、攻撃すべきはナイフのほう。わかりにくいね!
チキンと包丁を倒すと床が抜けて下水道へ。『スプラッターハウス』といえば下水道! お約束だね。そしてモンスターを倒し、トゲトゲを避けながら先に進むと、巨大なネズミが出現。こいつがステージ2のボスだ。たぶんだけど、元ネタは『ウィラード』か? 突風吹き荒れるなかでの戦闘となり、飛ばしてくる子ネズミに当たると押し戻されてしまう。的確に子ネズミを攻撃しながら接近し、一撃を加えればクリアだ。
ステージ3は街。OPではデビルタウンなんて書かれてる。一つ目のカボチャ人間を倒しながら先に進むと洋館(ホラー映画のお約束!)がある。中はさながらアスレチックのような構造になっているので、歩き回る敵(エイリアン?)を倒しながら扉を探そう。部屋に入ると嫌な音とともにチェーンソーが襲い掛かってくる。空中に2本、床に1本。床のチェーンソーは無敵なので、こいつを避けながら空中のチェーンソーを攻撃していこう。数発も当てれば撃破可能だ。
チェーンソーを切り抜け、先に進んだ部屋で待つのは石のベッドに横たわる少女。かたわらには不気味な生物が入ったガラスシリンダー……。しばらくすると少女の腹からうじゃうじゃとモンスターが飛び出してくるので、こいつを撃退していこう。元ネタはSFホラーの大傑作『エイリアン』なのはいうまでもないね! 余談になるけど、パッケージ裏に書かれた本作のキャッチコピー「墓場では あなたの悲鳴は 誰にも聞こえない…」は、『エイリアン』の劇場公開時のキャッチコピー「宇宙では あなたの悲鳴は 誰にも聞こえない…」が元ネタになっている。
で、この中ボスの話に戻る。一見簡単そうに思えるが、なんか知らないけど凄い数(40匹以上?)を倒さないとクリアにならないため、非常につらい。たぶん、このゲーム最大の難所。一度天井に貼りついてから落下してくるヤツは素早いので、攻撃を命中させられないと思ったらジャンプして避けるといい。とにかく、的確かつ無駄のない攻撃が重要となってくる場面だ。
一定数を倒し終えると、少女は何事もなかったように起き上がって立ち去っていく。この姿、どこかで見たことあると思ったら、なんと『ドルアーガの塔』でおなじみのカイ。こういう謎の友情出演、まだあります。
エイリアン(?)ラッシュを切り抜けると、再び外へ。ここを道なりに進んでいくと教会にたどり着く。教会の鐘はしばらく待っていると落ちてきて、これを取るとライフが回復する。こういう隠し、意外と多いぞ。教会内部には悪魔召喚の儀式を行っている司祭?がいる。元ネタは……なんだろ? やっぱり『魔女』(1922年)なのかな? 教えて、偉い人! 儀式中にはコウモリが飛び回り、儀式が終わると司祭が黒い山羊に変貌する。黒い山羊は素早いタックルで攻撃してくる……が、タイミングよく攻撃するとハマる。仰々しくでてきたわりには、あっさり風味の敵なのだった。
そしてやたらと長いステージ3はまだまだ続く。教会から出て進むとある家に入ると、メカメカしいポッドが2つ。片方には不気味な男が入っている……。はい、お分かりですね。『ザ・フライ』です! ハエ男の恐怖です! もちろん、すぐに電送開始して融合、ハエ男になります。わかりやすい! ありがたい! ハエ男は子分のハエをばらまきながら浮遊しているので、低空を飛んでいるときに攻撃を命中させよう。そんなに苦労はしないはずだ! こいつを倒したあとの電送ポッドには、ある秘密が。これに関しては、後述することにして、次、いってみよう。
ステージ4。一応折り返し。ここからは後半戦だっ! ステージ名はダイヤモンド湖。もちろん『13日の金曜日』のクリスタルレイクが元ネタだね! 元ネタ同様に湖畔を進む(途中で小屋を経由するけど)ことになるんだけど、たまーに水面から逆さになった脚が生えていたりする。『犬神家の一族』だ! 『八つ墓村』と間違えると「犬神家の一族警察」がやってくるから気をつけようね! そしてこの毒々しい湖水には、なぜかサメが泳いでいる。これまた名作パニックホラー『ジョーズ』からの引用だ。
サメが泳ぐ地帯を突破すると、いきなりボス戦。ステージ3に比べて短すぎるぞ! 雷鳴轟く空に浮かび上がる不気味なシルエット。手にはフォークとナイフ。モチーフは『バーニング』に登場する殺人鬼・クロプシーだ。あっちは枝切りばさみだけど。画面を左右に行ったり来たりしながら、一定タイミングで地面へと落下してくる。ここを狙って4回ぐらい攻撃を命中させるだけで勝利だ。演出はいいけど、なんてことはない。
そしてステージ5。こちらはダイヤモンドレイクキャンプ場。モチーフは前述のとおり。コウモリが飛び回り、首つり死体がそこかしこにぶら下がっているステキ空間。こんなキャンプ場でソロキャンなんてしたくない! そしてここは進むだけ。右端までたどり着いたら、またもや小屋に。内部は皿を投げつけてくる手と床からせり出すトゲぐらいで、なにも怖いものはない。進むと地面に大きな穴が開いているので、そこに飛び込もう。穴の手前の箱にはハンバーガーが入っていることが多いぞ(そして宙に浮くハンバーガー)。そして穴の底には下水道が。地面を這うトゲと落下してくるトゲが行く手をさえぎるけど、慎重に避けながら進もう。進んだ先には扉がある。
扉に入ると、そこはどこかの小屋。壁にかかったムンクの『叫び』のような絵からは、不気味なモンスターが出現。最初は映画『スクリーム』からの引用かと思ったけど、『スクリーム』の公開は1996年。全然関係がなかったりする。完全に偶然の一致というわけだ。大して強くないモンスターだけど、断末魔の叫びは画面の端を何度も反射して残り続けるという厄介なシロモノ。スクロールさせれば消えるのだが、それはそれでめんどくさいという……。そしてずんどこずんどこ進んでいくと、また外に出る。ここもどんどこしょと進んでいくと、また小屋に。ステージの長さにムラがありすぎ!
小屋の中にはバケツが多数あり、接近すると降ってくる。ダメージトラップかと思いきや、このバケツに頭から当たるとダメージ半減防具となるのだ! このあとのボス戦に大活躍なので、必ずとること。
ボスは狼男。モチーフがありすぎて、なにが元ネタなのかわからないぐらい。画面を跳ねまわるので攻撃を加えると、バリアを張って防御態勢に。防御中は弾を放ってくるので、離れて避けよう。これを繰り返せば意外と簡単に倒せる。これはうれしい。ちなみに、この狼男の正体は『妖怪道中記』の主人公・たろすけ。これは『妖怪道中記』のオリジナル版、そしてファミコン版がナウプロダクションによって制作されていることに起因する。そしてさらなる余談だけど、実は本作、先行してリリースされたファミコン版『妖怪道中記』のエンジンを流用していると思しき部分が多くあったりする。そのため、サウンドテストなど、一部裏技はそのまま利用できたりするのだ。
ステージ6。丘の上の死の館……大層な名前がついているけれども、通り抜けるだけのステージだったりします。本番は次のステージ7だっ! 途中にあるつり橋は同じ場所にとどまっているとちぎれて落下してしまう。落下したらゲームオーバー……ではなく、ステージの序盤からやりなおし。この辺は初心者救済感がある。つり橋地帯を抜けて、崖をジャンプで登っていき、道なりに進んでいくと見えてくる洋館。これがステージ名にもなっている館だ。ここまでくれば、あとはラストステージだけ。
ステージ7。モンスターの群れが住まう地獄の館。廊下を進んでいくと床が抜けて落下してしまう。落下した先には司祭が待ち構え、謎の怪物に食わせようとしてくる。この怪物、どことなくパックマンに似ているのだけど、カイやたろすけのように「友情出演」なのかどうかは判別つかず……。ちなみに、ここにも隠し要素が。
怪物に食われたあとに目覚めると、そこは墓場だった。一瞬ループものっぽく思えるけど、全然違う場面なので一安心(安心ではない)。チェーンソーやらハエ男やら、懐かしいボスをやりすごして先に進むと、巨大な柱時計が並ぶ廊下に。時計は針を飛ばしてくるが、置いてある場所ごとに発射される角度が決まっているので避けやすくはある。この時計ゾーンを超えて先に進むと、なぜかトイレが。左に入ると本当にトイレがあるが、敵が襲ってくるだけで特に意味はない。こういうのは本当に困る。寄り道なんかしないで、右側の扉に入って先に進もう。
トイレの隣の扉から先に進むと、地面が燃え盛る部屋。ここではガイコツが襲い掛かってくる。ダメージを受けると、壁にかかった鹿のトロフィーがケタケタと笑う! 腹立たしい! そしてこの先にはコウモリが飛び交う部屋が待つ。コウモリにつかまると穴の上へと持ち上げられてしまう。落下中は位置を調整できるので、落ちないようにリックを動かそう。穴に落ちてしまうと、柱時計の部屋からやりなおしになってしまうのだ。めんどくさいぞ! コウモリ部屋の次は叫びモンスターの部屋。断末魔に当たらないよう気をつけよう。ここを抜ければ……。
休憩所。ズコー! とはいえ、ここは本当の意味で休憩所になっており、自販機に重なって上ボタンを押すとジュースを飲んで体力が全快するのだ。この次はラスボス戦。これは本当にありがたい限り。ちなみに、この休憩所は双方向スクロールになっており、一度自販機を画面外にするとジュースは何度でも飲めるぞ。
最後はカボチャ大王戦。空中を浮遊しながらミニカボチャを吐き出すので、低空飛行したところを攻撃しよう。攻撃を命中させると無敵になって画面をビリヤードボールのように反射しながら飛び回る。接触しないよう、左右に動きまくろう。しばらくすると復活するので、また同じように攻撃。これを繰り返すだけ。ラスボスにしてはあっけないかもしれないね! ホント、カイのほうが強かったぞ。
カボチャ大王を倒すと、感動のエンディング。なんと、このゲームは映画の撮影だったのだ! 『アメリカングラフィティ』ならぬ『わんぱくグラフィティ』! 監督がどことなく『E.T.』の宇宙人に似ているのは気のせいか? そして、隠し要素を満たすと真エンディングとも呼べる画像が挿入されるのだ。
その隠し要素とは、前述のステージ3とステージ7の隠しステージをクリアすること。ステージ3の隠しステージは、ハエ男が出てきた電送ポッドがカギ。倒したあとに入ると日本ステージにワープし、ここで姫様から水晶玉をゲットするのだ。
そしてステージ7の隠しステージは、パックマン風怪物がいた近くにある扉が入口となっている。落下したあとに右ボタンを押さないでいると司祭につかまらないので、あとは少しずつ移動してうしろをついていくだけ。そうするとエジプトステージにワープし、そこでも姫様に水晶玉をもらえるのだ。
全然関係ないけど、日本風姫様とエジプト風姫様のどちらもかわいいのだ。しかも、パターンこそ少ないけどちょこちょこ踊るのが、またたまらないのだ! しかし、なんで日本とエジプトだったんだろう? もしかして、これも『妖怪道中記』の流れからなのか!? 教えて! 偉い人!(結局、こればっかり)
真エンディングといっても2枚の画像が追加されるだけ。しかし、その画像だけでこれから彼らに襲い掛かる"悲劇"が容易に想像できるというもの。そう、このゲームは、オリジナル版の前日譚でもあったのだ……。
そしてエンディングのあとは、映画フィルムっぽい演出にあわせてスタッフロールが流れていく。そこに表示されるメッセージ「WINNERS DON'T USE DRUGS」は、FBIの半麻薬キャンペーンのキャッチコピーで、当時の米製アーケードゲームには挿入されることが多かったとかなんとか。詳しいことはわからないので、教えて偉い人! スタッフ名はニックネームと似顔絵つき。なぜかカイがいるけど、これはステージ3に登場したからなの? それともスタッフのあだ名的なもの? どっちなの!?
オリジナル版とは程遠い雰囲気、そしてゲーム性から酷評に次ぐ酷評を受けている本作。実際に触ってみると、傑作とまではいかないもののプレイヤーを楽しませようという意気込みが随所に感じられる良作だということがよくわかるタイトルなのだ。このゲーム一番の不幸は、オリジナル版がゲーム史にその名を轟かせる大傑作だったということだろうか。実際に遊べば「面白い!」となるはずなんだけれども、その「遊んでもらう」までのハードルが高すぎた……というしかない。
移植もなされず、このまま歴史に埋もれるだけだと思われた本作だけど、なんと6月18日発売の『ナムコットコレクション』に収録されることが決定! 31年の時を経て、ついに多くの人にプレイしてもらえる機会を得たのだ! できれば、購入してみんなにもプレイしてもらいたいところ。第1弾で終わらずに、今後もどんどんナムコットオリジナルタイトルが移植されるためにも……ね。