ゲームで適当に遊ぶ

ファミコン中心に、いろいろなゲームを遊んだ感想とか適当に

意外と風船を使うゲームって多いんだね

 1週間ぐらい開いてしまったけど、更新に飽きた訳じゃありません! どうも、りしゅーです。そういう訳で、どのタイトルをやろうかなぁ? と考えた結果、やっぱり当初の予定通りコレを紹介することに決定! そう! あの殺し合いゲームの決定版!

バルーンファイト

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  コピーライトからもわかるように任天堂のゲームタイトルで、1985年1月22日発売。実はファミコン版がオリジナルではなく、当時の任天堂が展開していたアーケードゲーム筐体『VS.システム』用として開発されたタイトルがファミコンに移植されたものだったりする。オリジナルのアーケード版の開発を担当したのが、数々の任天堂タイトルを開発してきたSRD。有名どころではスーパーマリオブラザーズゼルダの伝説Wii Fitとかかな。というか、多すぎて書ききれないぐらい、任天堂タイトルはSRDがプログラムなどを担当していたりするわけですよ。最近では、大ヒットタイトル『あつまれ どうぶつの森の開発に関わってたり。

 

 そして、今回紹介するファミコン版への移植を担当したのがHAL研究所。そう、あのHAL研です! 開発チームは横井軍平氏、坂本賀勇氏、田中宏和氏と、任天堂ゲーム史、ひいては日本におけるコンシューマーゲーム史に偉大な足跡を残す人が参加。そして、ファミコン版のメインプログラマーは、のちに任天堂の社長に就任する岩田聡氏! もはやオールスターという言葉ですら物足りないほどのレジェンドたちが参加した、とんでもないタイトルだったり。

  

 

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 操作方法は簡単。方向ボタンの左右で風船で浮かんだキャラクターを移動させ、Aボタンで1回羽ばたき、Bボタンで連続羽ばたきを行う。これだけ。ただ、風船で浮いているため独特の浮遊感があり、空中浮遊しているため左右の移動には慣性が働いている。バルーンファイトならではとしか言いようのない独特の操作感覚を生み出し、それがゲーム最大の味になっているのだ。この操作感覚あってこそのバルーンファイト

 

 そして、ステージ内にいる敵の風船を割り、水面に落ちるのを待つか地面に着地したところを蹴り飛ばすと敵の撃破完了となり、ステージ(ゲーム内ではPHASE表記)内にいる敵をすべて倒せばクリアとなって次のステージに進める。簡単だね!

 

 

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 風船を割る方法はひとつだけ。敵より高い位置から風船に触れるだけ。本当に簡単だ! しかし、敵のほうが高い位置にいた場合、逆に風船を割られてしまうことに。そして、風船を2つとも割られてしまうと、落下してミスになってしまう(地上にいても)。風船を割られて地面に着地した敵は、風船を膨らませて大空に戻ろうとする。その前に蹴り倒さないと復活してしまうので、上空を漂っているだけではダメなのがもどかしい。で、敵を蹴り倒すと、水面からシャボン玉が出現。このシャボン玉は500点のボーナスアイテムだ。ちなみに得点表示は999990点で、カンストせずに得点はループする。もしかしたら、見えないケタがカウントされているのかもしれないけどね。

 

 また、水面に近づきすぎると怪魚が出てきてパックンチョされてしまったり。これは敵味方関係なく発動する一種のトラップで、水面に近づかないようにするしか回避方法はない。実は、怪魚は見えない水面下を左右に移動し続けていて、一定の距離まで水面に近づいたキャラクターがいると出現するようになっていたりする。なので、水面を飛んでいても怪魚が出てこなくて食われない……なんてこともよくある。

 

 

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 ほかにもステージギミックとしてグルグルと雷がある。グルグルは当たると勢いよく回転しはじめ、回転中に当たると当たった方向や位置によってはじかれたり加速したりする。移動の計算を大きく狂わせられるので、見た目以上にやっかいな存在だ。

 

 そして雷は時間経過とともにステージ内にある雷雲から発射されて、地形や画面の端に当たると反射して残り続けるという特性がある。早い話が一種の永久パターン防止キャラで、当たると一発でミスになる。そして、永久パターン防止キャラだけあって、雷は敵に命中しない。ずるいぞ! 雷はステージが進むごとに発射されるまでの時間が短くなり、高次面では「ステージ開始10秒ぐらい」で発射されるように。つらい。

 

 

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 ステージは3フェイズ1セットになっていて、3フェイズクリアするごとにボーナスステージに突入する。ステージ内に4本突き出している煙突(土管?)からランダムで風船が合計20個出てくるので、それを全部割るというのがボーナスステージの概要。風船1個あたりの得点はボーナスステージによって違っていて、20個全部割るとボーナス点も獲得できる。もし風船が1つ割れていたら、ボーナスステージ突入時に復活するという特典つき。まさにボーナスステージだね! このゲーム、エクステンドが存在しないので、ボーナスステージでの回復が高次面到達への重要な要素になってるのだ。ちなみにエンディングはないので、高次面到達は自己満足の域は出ない。いいじゃないか、自分の腕を確かめるのにボーナスなんてなくっても。

 

 

 

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 ファミコン版オリジナル要素として「バルーントリップ」(説明書ではGAME Cと表記されていたり)がある。これは、右から左に向かってスクロールするコースを、どこまで進めるか……を競うモードで、これまたエンディングはない。いつか、必ず力尽きる。それがゴールとなるのです……。一応、移動(というか、時間経過?)するたびに10点ずつ入り、この得点によってランクが変化していくので、これをRANK1にするのが当面の目標となる……けど、意外と簡単にRANK1になっちゃうんだよなぁ、これが!

 

 コース内は雷が障害物として多数配置されているので、これをうまく避けながら進む必要がある。同じくコース内に風船は割ると得点になって、画面から消さずに20個連続で割るとボーナス点獲得。そして風船の色が変わって1個あたりの得点もアップする。そのため、同じだけの距離を進んでも得点に大幅な差が出たりするというのが面白い。かなり細やかな操作を要求されるため、かつてはアクションゲームの腕前を測定するのに使われていたことも(ファミコン通信のネタ記事とかで、ね)。

 

 時々浮かび上がってくるシャボン玉は、割ると雷の動きがストップする。このスキに風船を割りまくったり、体勢を立て直すのが攻略のカギなのだが、そううまくいかないのが世の常……。大体、欲張りすぎると雷に当たって死ぬ。容赦なく死ぬ。

 

 ちなみに、このバルーントリップは、移植するにあたって「追加モードが欲しい」と横井軍平氏から相談を受けた岩田聡氏が、3日ぐらいでこしらえたものだったりする。既存のルール、システム、そしてキャラクターだけで全然違うゲームを作ってしまうあたりに、岩田氏の非凡なゲームデザイン能力が見て取れる……気がする。

 

 

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 そして! Switchには、なんとアーケードアーカイブとして、ファミコン版の元になったアーケード版が移植されたのだ! 凄いね! アーケード版はファミコン版と異なり、上下にスクロールする仕様になってたり。そのため、画面切り替え付近まで飛ぶと、急に画面が切り替わるのだ。また、同じ高度に居続けると、横から矢が飛んできて風船を割ろうとしてくる永久パターン防止キャラもいたりする。さらにはファミコンだとBボタン押しっぱなしで連続羽ばたきできるけど、この仕様もなかったり。なにかと忙しいゲームになっているのだ。

 

 ちなみにアーケード版も3面+ボーナス面で1セットになっているけど、得点によるエクステンドが1回だけ行われるようになっている(初期設定10000点)。そのため、ファミコン版より得点が重要な要素になっていたり。

 

 プレイした感想としては、独特の操作感もなく、落下は結構速かったりする。そう、ファミコン版独特の操作感は、岩田氏の独断で仕様変更されたものだったのだ! しかし、その操作感はバルーンファイトの開発者にも大好評で、メインプログラマ―は、ファミコン版がどういう風にプログラムされているか教えてもらったという。そのプログラマーの名前は中郷俊彦。そう、のちに世界的大ヒットを飛ばしたアクションゲームの金字塔スーパーマリオブラザーズのメインプログラマ―・中郷俊彦氏その人だ。そして、このとき教えてもらった「操作感」が、スーマリに活かされているとか。

 

 

  ちなみに、リメイクこそされていないものの、意外と移植は多かったりするのも『バルーンファイト』の特徴だ。GBA以降の任天堂ハードでは、なんらかの形で『バルーンファイト』が供給されていたりする。ゲームキューブどうぶつの森e+』のゲーム内ゲームとして……とかも含むけど。また、ハドソンの手によってPC-8801やシャープX1に移植されたり、ソニックパワードZaurusに移植したり。

  

 現在は3DSWiiUでのバーチャルコンソール、また、ファミリーコンピュータスーパーファミコンNintendo Switch Onlineでも配信されているので、なんだかんだで遊ぶ手段は豊富。オンラインに加入しているなら、『おいでよ どうぶつの森』の合間にプレイして、昔に思いをはせてみるのもいいかもしれない。

 

 

 

 このゲームもかなりの「定番ソフト」で、やっぱりクラスの3人に1人ぐらいは持っていたような気がする(あくまで体感だけど)。それだけ大ヒットを飛ばした任天堂タイトルにも関わらず、純粋な続編や後継作はでていないというのも面白い。続編・後継作は基本的にGAME Cをベースにしているのも、通常モードは完成度が高すぎてアレンジできないということなのかもしれない。

 

 2人用で遊ぶと、ステージをクリアしていくよりも自然と殺し合い(当時は対戦じゃなくて「殺し合い」が多く使われてた気がする。地域性かもしれないけど)に発展したゲーム。しかし、あらためてプレイすると、やっぱり完成度の高さに唸らされるタイトル。なんだかんだで、みんなオリジナルのアーケード版じゃなくて、移植であるファミコン版を前提に会話しているというのも、なかなかにすごい話だったりする。普通、移植モノって、絶対「でも、俺はアーケードのほうが好きだな」っていう人がでてくるものなのに、ね。それだけ、ファミコン版の完成度が高かったということなんだけど。

 

 そういう訳で、第15回も無事に終了! 次に紹介するゲームは「操作感覚が独特の、風船を使ったアクションゲーム」で行きたいところ! てやんで……あれ?