ゲームで適当に遊ぶ

ファミコン中心に、いろいろなゲームを遊んだ感想とか適当に

言うこと聞かない悪い子は

 そんなこんなで第12回! 予告した通りの「日本一有名な犯人が出てくるゲーム」の紹介に向けていろいろ準備していたのだけど、日曜日にとあるアニメが最終回ということで急遽変更してこちらのタイトルに。そういう訳で第12回はこれ!

ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境 

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  3月29日に大団円を迎えた第6期鬼太郎。今期の鬼太郎は今までとはまた一味違った性格にアレンジされていたせいか、過去作にこだわりのある一部のファンには不評だったみたいですが、個人的には大変楽しめたシリーズでした。綺麗に完結したしね!

 で、今回紹介する『妖怪大魔境』は第3期放映時に作成されたゲームで、これも爆発的に売れました(125万本ぐらい売れたらしい)。体感だけど、大体ファミコン持ってる小学生の4人に1人ぐらいは持っていたんじゃないかな?

 第3期は土曜夕方に放映されていて、耳に残る吉幾三の主題歌が印象的でした。原作者の水木しげる曰く「4本に1本は私でさえビックリするほど面白く原作をアレンジされてますが、2本は少し首をかしげる部分があり、1本ははっきり言って改悪です」と評される第3期だけど、それでも当時の子供たちに大人気だったんですよ(実は歴代最高視聴率も第3期)。で、子供たちに人気となれば少年誌にマンガも連載される訳で、当時は『コミックボンボン』に新作が掲載されてたり。

 

閑話休題

 

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 そんな大人気の鬼太郎、ゲーム化しないはずがない! ということで、満を持してリリースされたのが、この『妖怪大魔境』。フィールドに点在する魔境を攻略して水晶玉を手に入れて妖怪城の結界を解き、待ち構えるボス妖怪を退治する……を1ステージとする横スクロールタイプのアクションゲーム。こういうキャラクターゲームは、キャラクターの顔を大きく描けるから横スクロールタイプになりやすいんだけど、これもそういう1本。でも、この辺は「思考停止」ではなく、ユーザーのニーズに答えたものなんだよね。せっかくのキャラクターゲームで「ビーム・ライフルの先っぽしか見えない」とかだったら、そりゃあ子供たちはガッカリするってものさね(ゲーム自体がどんなに面白いものだとしても……ね。あのゲームもいずれしっかりと)。

 

 

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 鬼太郎の武器は原作でもおなじみの髪の毛針。そして各魔境につきランダムで1つ出現する4種類のスペシャル武器。スペシャル武器はSELECTボタンで切り替え可能で、妖怪城で待ち構えるボス妖怪に対して威力を発揮するのだ。

  ちゃんちゃんこ。実は3期鬼太郎のちゃんちゃんこって、黒と黄色の配色がほかの鬼太郎と逆(黄・黒・黄・黒・黄)になってるのが特徴なのよね。もし「鬼太郎当てクイズ」がでたときは、ここで区別するといいかも(そんなクイズないぞ)。ちゃんちゃんこはリモコン下駄のように誘導可能で、画面外に出るまで何度でも攻撃できるのが特徴。ただ、鬼太郎の動きとシンクロしているので、そんなに誘導できないが……。

 指鉄砲。第6期ではやたら強力な必殺技として、ここぞの場面で使われていた。この辺は真マジンガー 衝撃!Z編マジンガーZの光子力ビームがブレストファイヤーより上位に据え置かれたのと似たような感じだったのかもなぁ。それはともかく、連射が効き貫通力があるため、周囲に防御壁を張っているタイプの妖怪に効果が高い。

  リモコン下駄。補充すると一時的に無敵になれる便利アイテム。発射すると鬼太郎の動きにあわせて移動し、リモコン下駄の進行方向と同じ方向ボタンを押すと加速していく。敵に当たるまで魔境を飛び回っているので、たまーに2~3周して反対側から戻ってきたリモコン下駄が偶然敵を倒す……なんてことも。

 火炎。これも指鉄砲と似たような威力で、貫通力がある。直線的に飛ぶ指鉄砲と違って、こちらは回転しながら飛んでいくため攻撃範囲が少しだけ広いという特徴も。火なので、火を得意とする妖怪にはエネルギー源になってしまうという欠点も。

 

 

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 アクションの舞台になる魔境は全部で4種類(正確には4つの魔境からランダムで挑戦することになる「ミステリー魔境」があるので5種類なのだが)。各魔境ごとに特徴や攻略方法が異なるというのがポイントになっている。魔境は各ステージごとにランダムで3~6種類ほどセットされていて、2周目からは「見えない魔境」も出現するようになるので、もっと多くなるかもしれない。ちなみにクリアした魔境は花畑に変化するんだけど、子供の頃は「燃えている」ようにしか見えず、「魔境を燃やす」と言っていた記憶ががが。で、各ステージの魔境のどこかに水晶玉が隠されている。これを回収して砂かけババアに渡すと、妖怪城の結界が解けてボス妖怪と戦えるように。

 

 

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 妖奇魔境。ここでは人魂(天ぷらにするとおいしそうな例のアレ)を10個集めると出口が出現。神社、墓場、川、森の4種類のバリエーションがあり、一定の場所をキジムナーや土ころび、だるまが転がっている。こいつらはしゃがまないと毛針が当たらないので、ジャンプで避けるかしゃがんで倒すかのどちらかになる。後半のステージになるとすげぇ速度で転がるようになって対処しづらくなるので、序盤は当たり魔境、後半ははずれ魔境と、ゲームの進行度によって攻略難度が大幅に変わるのも特徴だ。

 

 

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 妖界魔境。妖怪を10体倒すと出口が出現。ステージが進むごとに敵の出現率が高くなっていく。序盤は難易度高めだけど、ノルマが「敵を10体倒す」なので敵がたくさん出るようになる後半になればなるほど簡単にノルマ達成できるようになって結果的に当たり魔境になる。この魔境には、まれにねずみ男がいて臭い息を吐いてくる。もちろん臭い息にあたるとミスに。困ったことに、ねずみ男は今も昔も「味方とは言い難いが敵ではない」ポジションなので、倒しても妖怪討伐のカウント外ということ。なんてめんどくさいヤツなんだ!

 

 

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 妖炎魔境。鬼太郎のそばをふわふわと飛ぶつるべ火を使って10本のろうそくに火をつけると出口が出現。しゃれこうべ谷と土蔵の2パターンがあり、土蔵は唯一の落とし穴がある魔境で落ちると当然ミスになる。また、ステージが進むと土蔵には全魔境通してトップクラスに対処しにくい姑獲鳥と皿小僧が出てくるので、後述の妖空魔境を超える難易度と化す。一方、しゃれこうべ谷は対処しやすい妖怪ばかりなので、クリアはラク。当たりはずれの落差が激しい魔境なのだ。

 

 

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 妖空魔境。妖怪を10体倒すと出口が出現するのは妖界魔境と同じだけど、一反木綿に乗って移動しているため操作感覚が独特で敵に狙いを定めにくい。あと、この魔境だけアクションゲームではなくシューティングゲームになっているのも特徴だ。操作方法が独特で、かつ登場する妖怪たちが雑魚であるペナンガラン以外はどいつも強敵ぞろいで、序盤から終盤までずっと難関魔境として立ちはだかる。強敵に対処するため、スペシャル武器である指鉄砲や火炎を多用する魔境でもある。

 

 

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 各魔境はノルマを達成すると出口が2つ出現するのだけど、間違った出口を選ぶと妖怪地獄に堕とされてしまう。妖怪地獄ではスペシャル武器が封じられていて、また、ボス妖怪を倒すまで延々と挑戦させられてしまうという、文字通りの地獄としてプレイヤーに立ちはだかる。

 妖怪地獄のボス妖怪はたんたん坊、バックベアード、見上げ入道、赤舌の4体。どれも第3期では強敵として描かれていた……気がするんだけど、見上げ入道はそうでもなかった気がする。確か子供を妖怪に変える妖怪学校の校長とかだったはず。それはともかく。ボス妖怪はそれぞれ弱点があって、そこを攻撃すると一発で倒せる仕組みになっているのだけど、バックベアードと見上げ入道は1カ所、赤舌は2カ所、たんたん坊は3カ所と弱点の数に差があったり。弱点は全部攻撃しないといけないので、妖怪地獄に堕とされたうえにたんたん坊を引いてしまうと目も当てられない。

 

 

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 ちなみに妖怪地獄には、救済用の隠しキャラがいる。カラスかざしきわらしを獲っておくと、正しい出口を教えてくれる。地獄に落ちないためにも絶対に獲っておきたいけど、カラスは移動するしざしきわらしはすぐに消えるし……と、なかなかにめんどくさい。ちなみに、どっちも攻撃が当たってしまうと死ぬ。なので高次ステージでは出現させたのはいいけど、結構な確率で殺してしまったり。ああっなんてことをっ!

 また、妖怪地獄に堕ちてしまった場合にも救済がある。ここで30体の雑魚妖怪を倒すとネコ娘天童夢子(第3期のヒロイン)が出てくるのだ。このとき夢子ちゃんに触れると即座に脱出できる(ネコ娘に触ると5000点)。後半ステージのたんたん坊なんかは、無理にたんたん坊を倒すよりも夢子出現を狙ったほうが安全だったりする……かどうかは難しいところ。雑魚妖怪は雑魚妖怪で弾を撃ってきたりして厄介だしね。

 

 

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 各魔境や妖怪地獄には、第3期にでてきた妖怪たちが「これでもか!」とばかりに次から次へと出てくるのも本作の特徴。メジャーどころからマイナーなヤツまで、その数なんと40種類以上!(妖怪地獄や妖怪城のボス妖怪、仲間妖怪は除く)。行動パターンが同じ妖怪が多いものの、当時どころか現代のゲームでもここまで多彩な敵キャラを用意しているゲームはそんなに多くないと思われ。こういうところでも、本作はキャラクターゲームのツボをしっかり突いてきてるのよね。

 

 

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  当時のアクションゲームやシューティングゲームの目玉ともいえる隠しキャラも豊富で、特定動作(Aボタンを10回押す、ちゃんちゃんこで敵を倒す……など)をすると出現するというパターンが多い。大体は得点アイテムだけど、各魔境の正しい出口を教えてくれるカラスやざしきわらし、移動速度が大幅アップする呼子や茶碗なんかもあるので、余裕があるなら出現させておきたいところ。

 

 

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 妖怪城で待ち構えているボス妖怪は全部で8体。ステージ1から8まで順番に出現し、ステージ9になるとまたステージ1と同じボス妖怪が順番に出現する。このため「ステージ8でゲームがループ」と勘違いされることも多いけれども、実際は16ステージを1周としてのループになっている。各ボス妖怪には特効スペシャル武器と無効スペシャル武器が設定されているので、特効武器で攻撃するのも重要だったりする。一応、髪の毛針を無効化するボス妖怪はいないので、最後は髪の毛針連射という手段もあるけど(吸血鬼エリート兄は毛針の軌道を捻じ曲げるけど、ダメージは与えられる)。

 

 

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 また、各魔境でオカリナを集めていると、仲間を呼んでボス妖怪戦を支援してもらえる。ずっと支援してくれる訳ではなく時間経過すると帰ってしまうのが難点だが、ボスによっては効果てきめんなので開始直後に呼びたいところ(呼び出す順番は固定で、4回目以降はまたぬりかべになる)。妖空魔境に登場する一反木綿といい、鬼太郎の仲間4妖怪がきちんとゲームシステムに組み込まれているのはすばらしいの一言。こういう風に設定をゲームに落とし込むのって、結構難しいんですよ?

 

 

 

 80年代中期のキャラクターゲームとしてはとても丁寧な作りをしていて、スーマリを発端としたファミコンブームを支えたタイトルのひとつであることは間違いない。問題点がないわけじゃないけど、とにかく豊富なキャラクターと原作を再現したアクションは、動かしていて「たーのしー!」のだ。1プレイの区切りが短く、そして単調にならないようバリエーションに富んだステージ構成と、現代のゲームも見習ってほしいと思う部分もとても多い。プレイしていて「鬼太郎が好きな子供なら、きっとこういうところを喜ぶはず!」という思いが伝わってくる、本当にキャラクターゲームの教科書のような1本。これがゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境だ。

 ちなみに、北米版ファミコンであるNESでも『NINJA KID』というタイトルでリリースされていたり。鬼太郎を少年忍者に変更して、タイトルBGMや日本語メッセージを差し替えたりしているけど、基本的に内容はいっしょ。ただ、主人公を忍者にした関係で髪の毛針やスペシャル武器、仲間の妖怪も変更したため、微妙によくわからない状態になっていたりもする(ぬりかべがペガサスになってたり、頭から苦無を飛ばしたり)。で、UPLの名作アクションゲーム『忍者くん 魔城の冒険』PS4移植されるときに『NINJA KID』という海外タイトルがついたらしく、検索するとき微妙にめんどくさい。こういうタイトルかぶりは調べものするときに困るからやめてほしい(本音)。

 

 

 そういう訳で第12回も終了! 第13回こそ「日本一有名な犯人」を紹介予定! もうすでに撮影も終了しているので、すぐに更新できる……はず!