ゲームで適当に遊ぶ

ファミコン中心に、いろいろなゲームを遊んだ感想とか適当に

フラッシュビームが輝けば

 このブログを始めるにあたり、いろんなファミコンのゲームをプレイしている訳ですよ。それこそ、十数年ぶりに遊ぶゲームとか、はじめてエンディングにたどりつくゲームとか、そんなタイトルが多い訳ですよ。で、これもそんな1本! 第11回はバンダイ(現:バンダイナムコ)のディスクシステム初参入タイトル!

ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲

f:id:ri-syu:20200326025807j:plain

  バンダイファミコンソフト第7弾にして、初のディスクシステム専用ソフト。「クソゲー連発」のイメージが強いファミコン時代のバンダイだけど、初期は

・キャラ性能差がゲーム性につながったキン肉マン マッスルタッグマッチ

・やや単調だが3段変形や反応弾も再現した超時空要塞マクロスナムコ開発)

・高難易度だが独特の操作性や体力の確保など、ゲームシステムを把握するとスルメゲーに化けるオバケのQ太郎 ワンワンパニック』

・難易度上昇のカーブが絶妙で原作を再現したアクションが楽しめるゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境

など、傑作とまではいかないまでも単なるキャラクターゲームの範疇に収まらない作品をいくつもリリースしていて、決して「クソゲー」メーカーのイメージは強くなかった。むしろ、この頃に子供たちの間でクソゲー(実際のところ、このゲームが発売された87年初頭において「クソゲー」という言葉は、ようやく一般化しはじめた頃なのだけど。この言葉が一般化しはじめるのはもうちょっとあと)メーカーとして名高かったのは、別の会社だったのだ。コナミじゃないK社とか、カセットの形が独特なS社とか。特に前者はアーケードでは傑作連発だったため、痛い目を見るユーザーが多かったとか。

 

閑話休題

 

 そんな状況で、バンダイが発売したこのタイトル。当時はどちらかといえば下火になっていたが再放送などで根強い人気があったウルトラマン(この頃の「最新ウルトラマンコンテンツ」は、『コミックボンボン』連載のウルトラマンキッズと映画『ウルトラマン物語』)のゲームがお年玉で子供たちの懐が一番あったまっている1月に出るということで、そこそこ話題になっていたり。しかも、媒体は去年発売したばかりのディスクシステム! 当時、ディスクシステムのゲームは面白いものが多かったため、期待は高まるばかり。記憶に間違いなければ、クラスで3人ぐらい買ったはず。だけど……。

 

 

f:id:ri-syu:20200327020933j:plain
f:id:ri-syu:20200327020937j:plain
f:id:ri-syu:20200327020941j:plain

 と、長々とした前振りはさておき、ゲームとしては双方向横スクロールアクション。各ステージ開始時はハヤタで小型怪獣を倒してエネルギーを集め、10ポイントたまったらSTARTボタンでウルトラマンに変身。そこから3分以内に大型怪獣(これらはハヤタでは倒せない)をすべて倒すとステージクリアとなる。

 ハヤタのときは敵や落石、隕石に触れると即死するけど、ウルトラマンなら体力が尽きるまでは攻撃を受けても大丈夫。また、残り時間が1分を切ると、各ステージにつき1回ずつ強力な攻撃・スペシウム光線と八つ裂き光輪を使用できる(ある方法を使うと、1ステージに2回以上撃てるようになるのだけど)。ちゃんと切り札としての演出もあり、この辺の原作度は高い。ウルトラマンになるとBGMが劇中でも多用されていた「進め!ウルトラマン」になるのも高評価。こういう配慮はいいね! ちなみに、書き換え版は別BGMに差し変わっているらしい。JASRAC対策かもなぁ、この辺。

 

 

f:id:ri-syu:20200327022814j:plain
f:id:ri-syu:20200327022816j:plain
f:id:ri-syu:20200327022819j:plain

 ちなみにハヤタの武器であるスーパーガンは、ステージに隠されている流星マークを獲ると、スパイダーショット、マルス177と強化されていく。スパイダーショットはスーパーガンの連射版でしかないが、マルス177は「スペシウム光線と同等の威力を誇る」という設定通り、大体の雑魚敵は一撃で倒せるようになるのはありがたい。

 

 

f:id:ri-syu:20200327035407j:plain
f:id:ri-syu:20200327035409j:plain
f:id:ri-syu:20200327035411j:plain
f:id:ri-syu:20200327035415j:plain
f:id:ri-syu:20200327035417j:plain
f:id:ri-syu:20200327050701j:plain
f:id:ri-syu:20200327050703j:plain
f:id:ri-syu:20200327050706j:plain
f:id:ri-syu:20200327050717j:plain
f:id:ri-syu:20200327050719j:plain
f:id:ri-syu:20200327050712j:plain
f:id:ri-syu:20200327050858j:plain
f:id:ri-syu:20200327050710j:plain
f:id:ri-syu:20200327050714j:plain
f:id:ri-syu:20200327054009j:plain
f:id:ri-syu:20200327054012j:plain
f:id:ri-syu:20200327054635j:plain
f:id:ri-syu:20200327054638j:plain
f:id:ri-syu:20200327054014j:plain
f:id:ri-syu:20200327054017j:plain
f:id:ri-syu:20200327054019j:plain
f:id:ri-syu:20200327054022j:plain
f:id:ri-syu:20200327054024j:plain
f:id:ri-syu:20200327054027j:plain
f:id:ri-syu:20200327054030j:plain
f:id:ri-syu:20200327054032j:plain
f:id:ri-syu:20200327054035j:plain
f:id:ri-syu:20200327054037j:plain
f:id:ri-syu:20200327054040j:plain
f:id:ri-syu:20200327054042j:plain
f:id:ri-syu:20200327054045j:plain
f:id:ri-syu:20200327054048j:plain
f:id:ri-syu:20200327054050j:plain
f:id:ri-syu:20200327054053j:plain
f:id:ri-syu:20200327054055j:plain
f:id:ri-syu:20200327054057j:plain
f:id:ri-syu:20200327054059j:plain
f:id:ri-syu:20200327054640j:plain

 ステージは全部で11ステージ。ステージ10までは双方向横スクロールアクション面を探索してエネルギーを集めて変身し、怪獣を倒すステージが続く。登場する怪獣は意外と多彩で、テレスドンレッドキングバルタン星人アントラーゴモラなどの人気怪獣からジェロニモンキーラザンボラーガボラなどの渋いチョイスも。ドットパターンが荒いけれども、どれがどれだかしっかりわかるのが凄い。さすが成田亨。ただ、小さい雑魚怪獣は、どれがどれだかわからないものも多い。ギャンゴとかガラモンとかメフィラスとかわかりやすいものもいるのだけど……。

 

 

f:id:ri-syu:20200327055243j:plain
f:id:ri-syu:20200327055248j:plain
f:id:ri-syu:20200327055251j:plain
f:id:ri-syu:20200327055259j:plain
f:id:ri-syu:20200327055256j:plain

 また、ステージ3は海中を特殊潜航艇S号で、ステージ7は空中をジェットビートルで進むシューティングステージになっていて、登場する怪獣もステージ3はペスター、ステージ7はチャンドラードラコと、それぞれの地形に合わせたものが出現する。しかし、シューティング面の怪獣はやたら攻撃力が高く、また体力も多い。特にステージ7のドラコはラスボスを除けば、ゲーム中屈指の強さを誇る。劇中では弱かったのに。

 

 

f:id:ri-syu:20200327055808j:plain
f:id:ri-syu:20200327055812j:plain
f:id:ri-syu:20200327055815j:plain

 怪獣帝国に捕らわれたウルトラ兄弟を助けるのも目的のひとつで、ステージ4をクリアするとウルトラマンジャック(新マン)、ステージ8でエース、ステージ10でタロウが救出できる。これらも、ちゃんと認識できるのがすごい。

 

 

f:id:ri-syu:20200327060555j:plain
f:id:ri-syu:20200327060559j:plain
f:id:ri-syu:20200327060603j:plain

 ラスボスはもちろんゼットン! 頭部に無重力弾を命中させないと、変身してからもダメージが与えられないという仕様だけど、肝心の無重力弾は1発しか撃てない。なので、はずしてしまうと死んでやりなおしとなる……。コンティニューが無限じゃなかったらぶん投げてる仕様だよ! ゼットンは横方向に発射する破壊光線と、斜め下に向けて発射する火球で攻撃してくるので、スキを見つけて頭部に攻撃を仕掛けよう! 接触するかしないかの距離でしゃがむとゼットンの攻撃が一切当たらないので、火球を発射したあとに破壊光線のモーションに入った瞬間を狙って攻撃するを繰り返すのがコツ。というか、たぶんそれ以外の方法では勝ち筋が見えない。

 

f:id:ri-syu:20200327060608j:plain
f:id:ri-syu:20200327060613j:plain
f:id:ri-syu:20200327060617j:plain
f:id:ri-syu:20200327060928j:plain
f:id:ri-syu:20200327060932j:plain
f:id:ri-syu:20200327060936j:plain
f:id:ri-syu:20200327060940j:plain

 ゼットンに勝利すると感動のエンディング……というか、2周目に続く系のメッセージ。そう、クリアすると自機がダンとセブンになって2周目がはじまるのだ! 登場する怪獣は変わらないけど、耐久力が2倍になっている。「耐久力を2倍にして難易度アップ」という手段は今でもよく使われているけど、このゲームでは本当に難易度が跳ね上がるのだ。なんせ、雑魚敵を倒すのにも2倍のショットが必要になって、雑魚が全然倒せなくなるのだ! ハヤタ(あるいはダン)を無敵化する裏技を使えば問題ないんだけど、こういう技を使わないポリシーの人には本当に苦行と化す。無理ゲーだよ! レトロフリークのクイックセーブとロードを駆使して、なんとか切り抜けたけど……。2周目ステージ7のドラコと2周目ステージ10の飛行バルタンを正攻法で倒せる人、本当に尊敬します。これができる人、ゲームが上手いってレベルじゃないよ! ちなみに2周クリアしても1周目と同じエンディングだ。「NEXT ULTRA SEVEN」というメッセージまで同じだというのは、少々どころか大幅手抜きだと思わないでもない。

 

 

 結論としては、好きな人には申し訳ないが「完成度が低いクソゲー」としか表現できない。多くの怪獣が出るのはいいのだけど、どれも左右にうろうろして、たまーに火球や光線を吐き出す程度(そういう点でステージ10のバルタン星人は(このゲームにしては)動きが凝っている)。また、原作では強敵だったメフィラス星人が雑魚敵で出てきたり、ボス怪獣としてなぜかキーラが2回出てきたりと、謎チョイスも多い(その点、バルタン星人が2種類でてくるのは非常によろしい。3回戦ってる訳だし)。

 また、当たり判定が非常にわかりにくく、同じ場所から同じように攻撃しても命中判定が発生しないこともよくある。さらに、敵からダメージを受けると無敵になるのはいいのだけど、こちらの攻撃判定も消えてしまうのだ。そのため、ダメージを受けると無敵が発生するタイプのライフ制アクションゲームの基本でもある「無敵時間を利用して敵を倒す」ことができず非常に苦戦する。スパルタンな仕様といえばそれまでだけど。

 それでも、なんだかんだでステージ突破できたときの達成感はなかなかで、この辺「昔のゲームってこういうモンだよね」と割り切れば、なかなかに楽しめる。少なくとも、「アーケードではあんなに面白かったのに!」という憤りはない。それがいいことなのか、悪いことなのかは判断できないけど……。

  そして、このゲームがきっかけ……って訳じゃないけど、この頃からバンダイ製ゲームの評価は少しずつ、そして取り返しのつかないほど落ち始め、90年代半ばには地に落ちた。もちろん、ファミコンだけでも『ドラゴンボール2 大魔王復活』や『まじかる☆タルるートくん ファンタスティックワールド』、『SDガンダムワールド ガチャポン戦士2 カプセル戦記』、『SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語2 光の騎士』などの良作も多く発売しているし、実際のところ「クソゲー」といわれるバンダイゲームの多くは、バンダイではなく関連会社(ユタカ、エンジェル、バンプレスト)発売だったりしたのだけど、そんなのは関係なかった。バンダイクソゲーの図式は、21世紀になった今でも覆ることのない評価として根付いてしまっていた。これも一種の風評被害よね。

 

 

 ここらで第11回は終了! なぜか原作モノが2本続いたので、次はスタンダードな作品の紹介を! アクションじゃなくてアドベンチャーとかいいな! RPGは長いし!

 

次回! 「日本で一番有名な犯人」の明日はどっちだ!