ゲームで適当に遊ぶ

ファミコン中心に、いろいろなゲームを遊んだ感想とか適当に

数々の悪意を乗り越えて!

 意外なぐらいに『まじゃべんちゃー 麻雀戦記』のアクセス数がよかったので、「これはちょっとマイナーなゲームを取り上げたほうがいいのかな?」と思って手を出したら、思わぬ沼にハマりこんだ第7回! 労力はある意味まじゃべんちゃー以上!

めぞん一刻 ~思いでのフォトグラフ~

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  原作は高橋留美子による歴史的名作ラブコメで、『うる星やつら』と並んで80年代高橋留美子の代表作ともいえるマンガ。というか、完結時期を考えると、もう「古典」の域に突入しているのかもしれない。これも時代の流れか……。

 これはそのアドベンチャーゲーム化作品で、オリジナルはPC-9801シリーズ用ソフトとして発売され、のちにMSX2PCエンジンなんかに移植された人気作。今日紹介しているこれも、そんな移植タイトルの1本だ。オリジナル版はマイクロキャビン。80年代はアドベンチャーゲームで名を馳せていたメーカー。そして移植担当はボーステック。そう、『銀河英雄伝説』や『妖怪探偵ちまちま』のボーステックなんですよ!

 

 

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 ゲームとしてはわりとスタンダードなコマンド選択式のアドベンチャーゲームで、管理人さんこと音無響子さんが落としたという「秘密の写真」を探し出すことがゲームの目的となっている。

 しかし、これがまた一筋縄ではいかない! まずはコマンド選択! 普通のコマンド選択式ADVだと移動は「いどう>目的地」と大体が2回コマンド選択(大コマンドと細
分コマンドを1回ずつ)するだけでいいのだけど、本作は部屋に入るにも「あける>とびら>五号室に入る」と3回のコマンド選択が必要になる。これが管理人さんの部屋ともなれば、「たたく>とびら>あける>とびら>管理人室に入る」と5回のコマンド選択が必要になってくる。うっとうしい! しかも実際の管理人室の場合は、もっと煩雑な場合も多いという……。さらには、一刻館の中の移動も「右にいどう」「左にいどう」など、1区画ずつ移動しないといけないという念の入れよう。めんどくさい!

 

 

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 しかし、そのめんどくささを上回るのが、一刻館の住人たちの挙動。彼らには隠しパラメータとして「機嫌」が設定されていて、ちょっとしたことで機嫌を損ねてしまう。具体的には、五代がだれかに借金(あるいはツケで買い物)したり、管理人室に入ったりすると機嫌が悪くなってしまうのだ。もちろん、管理人さんも簡単に機嫌を損ねてしまう。まぁ管理人さんが機嫌を損ねる理由はわかりやすく、「自分以外の女性と仲良くしている」と機嫌が悪くなるんですな。具体的にはこずえちゃんと話すと機嫌が悪くなる。朱美さんじゃないが、本当にめんどくさいな、この女!

 

 

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 攻略のフラグ軸は当時のファミコンでは珍しく2本立て。管理人室と管理人さんを中心とする物語軸と、住人のご機嫌を取りまくって彼らの昔の写真を手に入れる探索軸の2本を並行して進めていくことになる。特に住人の昔の写真を探す展開は、彼らの欲求を満たしていく必要があり、そして、ここにこのゲーム最大の壁が存在する。

 四谷さんはめずらしい招き猫を探しているのだけど、これはスーパーで販売されているから意外と簡単に発見できる。しかし、この値段はなんと5000円。主人公である五代くんは万年金欠の貧乏学生なので、5000円なんて大金は出せるはずもない。その休載フラグなのか、たまーに3000円で販売することもあるのだけど、これがなんと完全ランダム! もしかしたら何らかのフラグ管理で価格変動するのかもしれないけど、発売から30年経った今でも発見されていない。何度も何度もスーパーを出入りして、偶然3000円になるのを祈るしかないという「フラグを立てて攻略していく」のが醍醐味のアドベンチャーゲームらしからぬ仕様! あまりゲームで腹を立てないりしゅーさんなんですが、こればかりは久しぶりに「ふざけんな!」って怒りをあらわにしましたわ。

 

 

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 しかし、何事にも抜け道があり、実は「セーブデータがないときにデータをロードしてゲームを再開すると、なぜか招き猫が0円になる」という裏技が存在するのだ! 正直なところ、この裏技がなければクリアできなかったかもしれない。普通の方法だとセーブデータを消去するのは不可能だけど、そこはそれ。レトロフリーク万歳! ちなみに、スーパーの定員さんは電撃を放つこともあるという緑のロングヘアが印象的なかわいこちゃん(死語)で、たまーに語尾に「だっちゃ」とつける女性だったりする。

 

 

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 わりとフラグ管理が面倒くさく、毎回違う方法で管理人さんの気を引かないといけないというのがつらい本作。オチも「え? そんなの!?」と拍子抜けするもの。しかし、それでも、ファミコンとは思えないクオリティで描かれたビジュアルの数々は原作再現度も高く、非常に魅力的なものに仕上がっている。

 

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 また、一刻館の住人だけでなく、三鷹さんや茶々丸のマスター、こずえちゃん一家、管理人さんの姪っ子の郁子ちゃん、さらには坂本やばあちゃんといったキャラクターまできちんとゲーム本編に絡む形で出演(しかも「納得できる形」で)。もちろん、一刻館名物の宴会も、ちゃんと再現されているという徹底したファンサービスっぷり。この辺の細やかな「ファンにはうれしい心配り」から、本作は「ファンなら90点、ファンじゃなければ30点」とよばれる所以ではないだろうか。自分は発見できなかったが、アニメには登場しなかった二階堂も隠しキャラとして登場しているとか。どこにいる!?

 

 

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 30年以上経過しても、なお色あせることない管理人さんの可憐さとめんどくささが余すところなく味わえる本作。随所に製作者の悪意を感じるけど、それでもクリアしたときには、なんともいえぬ達成感があった。もしも安く手に入る機会があれば、プレイしてもいいんじゃないかな? かな?

 

 

 そういう訳で今回もここまで! もっとさっくりクリアまでたどり着けるゲームがいいな! 攻略法がきちんと確立してるヤツ! 今回は正確な攻略方法が掲載されているサイトがまったくなかった(大まかな攻略をしているサイトは2つほどあった)ため、最終的にメモ取りながら少しずつフラグ立てしていったからね! 32年前のゲームになにしてるんだ、自分は!

 

そんなこんなで第8回は完全に未定! たぶんアクションかアドベンチャー! 2時間ぐらいでさっくりクリアできるゲームがいい!